Webサイトの担当者として、あるいはご自身のビジネスの集客を考える上で、WordPressは強力なツールです。中でもブロックエディターは、サイト制作の効率と表現力を高める基盤となります。
基本的な使い方は「WordPressブロックエディター完全初心者ガイド」でご確認いただけます。
この記事は、ブロックエディターの基本を習得した方向けに、サイトの魅力を高め、効果的な情報発信を実現するための応用テクニックを解説します。
GoogleマップやSNSフィードの埋め込み、動画やスライドショーの活用は、サイトの利便性と視覚的訴求力を高めます。
また、再利用ブロックによる作業効率化や、吹き出しブロックを使った分かりやすいコンテンツ表現など、ブロックエディターには多様な機能が備わっています。
コストを抑えながら、ご自身のペースで実践的なサイトを構築したい方、信頼性やフォーマルな印象を重視する方、あるいは活動内容を分かりやすく発信したい方、温かみのあるブランドイメージを伝えたい方まで、それぞれのニーズに合わせたブロックエディターの活用法をご紹介します。
WordPressブロックエディターの応用テクニックを習得し、より魅力的で効果的なWebサイトを構築しましょう。
サイトをより魅力的に!埋め込み機能を使いこなそう
Webサイトにただテキストや画像を並べるだけでは、訪問者の興味を引き続けるのは難しいものです。そこで役立つのが、WordPressブロックエディターに標準搭載されている埋め込み機能です。
外部サービスやコンテンツをあなたのサイト内にシームレスに組み込むことで、サイトの利便性や情報の充実度を格段に向上させられます。
このセクションでは、特にビジネスサイトや地域密着型サービス、活動紹介サイトで重宝する、Googleマップ、SNSフィード、そして動画の埋め込み方法と活用例を詳しく解説します。
これらを使いこなすことで、あなたのサイトは訪問者にとって、より分かりやすく、より魅力的な情報源となるでしょう。
Googleマップで店舗・オフィスへのアクセスをわかりやすく
実店舗やオフィスを持つビジネスにとって、Googleマップの埋め込みは必須機能と言えます。訪問者が迷うことなくたどり着けるよう、サイトに地図を表示することで、顧客体験を向上させ、問い合わせや来店に繋がりやすくなります。
ブロックエディターでGoogleマップを埋め込むのはとても簡単です。
Googleマップを開き、サイトに表示したい店舗やオフィスの住所を検索します。
検索結果の場所が表示されたら、左側の情報パネルにある「共有」アイコン(飛行機のようなマーク)をクリックします。 表示されたポップアップで「地図を埋め込む」タブを選択し、表示されるHTMLコード(<iframe>
から始まる長い文字列)をコピーします。

WordPressの編集画面で、地図を表示したい場所に「カスタムHTML」ブロックを追加します。 コピーしたHTMLコードをこのブロックに貼り付けます。

貼り付け後、地図のサイズ(幅や高さ)はブロックの設定サイドバーから調整できます。また、Googleマップの埋め込みコードをコピーする際に、大・中・小のサイズを選ぶことも可能です。

SNS連携で最新情報を自動表示!X(旧Twitter)フィードの埋め込み
SNSでの情報発信は、今やビジネスや活動に欠かせません。WebサイトにX(旧Twitter)のフィードを埋め込むことで、サイトの情報を常に最新に保ち、訪問者にリアルタイムな動きを伝えられます。
ブロックエディターには、X(旧Twitter)の投稿を簡単に埋め込める専用のブロックが用意されています。
X(旧Twitter)で、Webサイトに表示したい特定の投稿ページを開き、そのURL(アドレスバーに表示されているもの)をコピーします。

WordPressの編集画面で、「X」ブロックを追加します。 追加したブロックにコピーしたURLを貼り付け、「埋め込み」ボタンをクリックします。

投稿が自動的にフィード形式で表示されます。

視覚で魅せる!YouTube動画の埋め込みと設定
視覚的な情報伝達は、メッセージを強力に伝える手段です。
特にYouTubeは、企業紹介、サービス説明、顧客の声、イベントの様子など、様々な動画コンテンツを共有できるプラットフォームです。WordPressサイトにYouTube動画を埋め込むことで、テキストだけでは伝わりにくい情報も、分かりやすく魅力的に伝えられます。
WordPressブロックエディターにはYouTube専用のブロックがあり、動画のURLを貼り付けるだけで簡単に埋め込みが完了します。
YouTubeで、サイトに表示したい動画を開き、アドレスバーまたは「共有」ボタンからURLをコピーします。

WordPressの編集画面で、「YouTube」ブロックを追加します。 追加したブロックにコピーしたURLを貼り付け、「埋め込み」ボタンをクリックします。

埋め込み後、ブロックの設定サイドバーから、動画の自動再生※、再生コントロールの表示・非表示、関連動画の非表示などのオプションを調整できます。

サイトに動きと説得力を!オリジナル動画の埋め込み
YouTubeなどの外部サービスにアップロードするだけでなく、独自の動画ファイルを直接サイトに埋め込むことも可能です。
これは、たとえば企業のプロモーションビデオ、商品のデモンストレーション、特定のイベントの記録など、完全にオリジナルで、かつ特定のサーバーに保管したい場合に特に有効です。
WordPressブロックエディターには「動画」ブロックがあり、メディアライブラリにアップロードした動画ファイルを簡単に埋め込めます。
動画を配置したい場所に「動画」ブロックを追加します。「メディアライブラリ」からアップロード済みの動画を選択するか、新たにファイルをアップロードします。

ブロックの設定サイドバーから、自動再生、ループ再生、ミュート、コントロールの表示などのオプションを調整できます。

訪問者の心を掴む!リッチコンテンツ作成術
Webサイトで情報を伝える際、単調なテキストだけでは、訪問者の関心を引きつけ続けるのは難しいものです。
そこで重要になるのが、写真や会話形式の表現、そして既存のコンテンツを効果的に活用するリッチコンテンツ作成術です。WordPressのブロックエディターには、これらの表現を簡単に追加できる便利なブロックが備わっています。
このセクションでは、視覚的な魅力を高めるスライドショー(ギャラリー機能)、画像や動画を背景に文字を重ねて見せるカバーブロック、そして記事や固定ページを効果的に埋め込む応用テクニックをご紹介します。
これらの機能を活用することで、あなたのサイトはより魅力的で、訪問者の記憶に残るものとなるでしょう。
複数の写真を効果的に見せるギャラリーブロックの活用法
魅力的な写真を複数持っているなら、ただ並べるだけでなく、ギャラリーブロックで見せることで、より効果的に訪問者にアピールできます。
たとえば、リフォームのビフォーアフター、カフェの様々なメニュー、NPOの活動風景など、多くの画像をコンパクトに、かつ印象的に見せたい場合に最適です。テーマによってはスライドショーのような表示も可能です。
WordPressの編集画面で、「ギャラリー」ブロックを追加します。

メディアライブラリから既存の画像を選ぶか、新たに画像をアップロードします。 複数選択して「ギャラリーを作成」をクリックします。

各画像にキャプションを追加したり、カラム数や画像をランダムに並べるかなど、設定をサイドバーで調整できます。多くのテーマでは、ギャラリーブロックがスライドショー(カルーセル)形式に対応しており、特別な設定なしに動的な表示になる場合があります。

画像や動画を背景に文字を重ねる!カバーブロックの活用
サイトにインパクトを与え、重要なメッセージを強調したい時に役立つのがカバーブロックです。
画像や動画を背景に設定し、その上にテキストやボタンなどの他のブロックを重ねて表示できるため、魅力的な見出しやCTA(行動喚起)セクションを簡単に作成できます。
特に、サイトの冒頭や、各セクションの区切りなどで活用すると効果的です。
WordPressの編集画面で、「カバー」ブロックを追加します。

メディアライブラリから画像や動画を選ぶか、新たにアップロードします。背景に色を設定することも可能です。

背景が設定されたカバーブロック内に、デフォルトで表示される段落ブロックに文字を入力したり、「+」ボタンで他のブロック(見出し、ボタンなど)を追加して自由に配置します。

設定サイドバーから、背景の不透明度、固定背景(スクロールしても背景が固定されるパララックス効果)、最小の高さ、焦点ピッカー(画像の中心位置の調整)などの詳細設定が可能です。

記事を彩る!投稿・固定ページへの埋め込み応用テクニック
WordPressのブロックエディターでは、既存の投稿や固定ページを、別のページの中に簡単に埋め込むことができます。これにより、関連する情報を集約したり、特定の商品やサービスの紹介ページをブログ記事内から参照させたりと、サイト内の回遊性を高め、訪問者が必要な情報にたどり着きやすくする効果があります。
この埋め込みには、主に投稿ブロックや最新の投稿ブロックを利用します。
WordPressの編集画面で「投稿」ブロックを追加します。 このブロックは、サイト内の特定の投稿や固定ページをカード形式などで表示するのに最適です。

ブロック内で表示される検索窓に、埋め込みたい記事のタイトルの一部を入力します。 候補が表示されるので、目的の記事を選択します。

ブロックの設定サイドバーから、アイキャッチ画像、抜粋、投稿者、日付などの表示・非表示、あるいは表示形式(リスト、グリッドなど)を調整できます。これにより、見た目を自由にカスタマイズできます。

ブロックエディターの知られざる便利機能で効率アップ
WordPressブロックエディターは、コンテンツ作成の強力なツールですが、その真価は、単にブロックを配置する以上の「便利機能」にあります。これらの機能を知っているか知らないかで、あなたのサイト制作の効率と品質は大きく変わってきます。特に、複数のページを作成したり、定期的な更新作業の際に役立つ機能ばかりです。
このセクションでは、同じコンテンツを繰り返し使いたい時に役立つ「再利用ブロック」、複雑なレイアウトを可能にする「グループ」と「カラム」ブロック、そして情報を強調して見せるブロックの活用法をご紹介します。これらを使いこなせば、作業時間を短縮しつつ、プロフェッショナルなサイト作りが実現できるでしょう。
複数ブロックをまとめて管理!「再利用ブロック」で作業効率化
Webサイトを運営していると、会社概要の下部にある定型文、問い合わせへの誘導、SNSのリンク集など、同じ内容やデザインのブロックの組み合わせを複数のページで使いたい場面が頻繁に出てきます。そんな時に1つずつコピー&ペーストしていると、手間がかかる上に、もし修正が発生すると全てのページを1つずつ直していく必要が出てきます。
そこで役立つのが「再利用ブロック」です。一度作成したブロックの組み合わせを登録しておけば、必要な場所に呼び出すだけで配置でき、元となる再利用ブロックを修正すれば、呼び出している全ての場所が自動的に更新されます。
登録したい複数のブロック(例:見出しと段落、ボタンなど)をまとめて選択します。Shiftキーを押しながらクリックするか、マウスでドラッグして範囲選択できます。

選択したブロックのツールバーに表示される「三点リーダー(︙)」をクリックし、「再利用ブロックを作成」を選択します。

再利用ブロックの名前を入力し、「保存」をクリックします。分かりやすい名前をつけておくと、後で探しやすくなります。

新しいページや投稿で再利用ブロックを使いたい場所に移動し、「+」ボタンからブロックを追加する際に、「再利用可能」セクションの中から保存したブロックを選択します。

デザインの幅を広げる!「グループ」ブロックと「カラム」ブロックでレイアウト自在
サイトの見た目をよりプロフェッショナルに、情報を整理して見せるためには、単一のブロックを並べるだけでなく、複数のブロックを組み合わせてレイアウトを調整するテクニックが不可欠です。
グループ
複数のブロックをひとつのまとまり(グループ)として扱えます。背景色をつけたり、余白を調整したりと、セクション単位でデザインを適用したい場合に便利です。
複数のブロックをまとめて選択し、表示されるツールバーの「グループ化」アイコン(四角が重なったようなマーク)をクリックするか、「三点リーダー(︙)」から「グループ」を選択します。

グループ化したブロック全体に対して、背景色やテキスト色、パディング(内側の余白)、マージン(外側の余白)などを設定できます。

カラム
コンテンツを縦に分割し、横並びに配置したい場合に利用します。たとえば、テキストと画像を左右に並べたり、複数の特徴を2列や3列で表示したりする際に非常に役立ちます。
WordPressの編集画面で「カラム」ブロックを追加します。 最初の段階で、2カラム、3カラムなど、用意されたパターンから選択できます。

追加された各カラムの中に「+」ボタンが表示されるので、テキスト、画像、ボタンなど、好きなブロックを配置していきます。

カラムブロック全体や、個々のカラムに対して、幅の調整や垂直方向の配置(上揃え、中央揃えなど)などを設定できます。

【応用編】WordPressテーマとブロックエディターの相性を最大化する
これまで、WordPressの標準ブロックエディターを使った応用テクニックを見てきましたが、さらにあなたのサイトをカスタマイズし、ブランディングを強化したいなら、テーマとブロックエディターの連携が非常に重要になってきます。テーマはサイト全体の「骨格」や「見た目」を決定し、ブロックエディターはその骨格の中に「肉付け」をする役割を担っています。
このセクションでは、テーマとブロックエディターを組み合わせることで何ができるのか、そしてさらなる表現力を求める場合の選択肢について解説します。
テーマとブロックエディターの連携で実現するデザインの可能性
WordPressテーマは、サイトのデザイン、レイアウト、機能の基盤を提供します。
最近のWordPressテーマは、ブロックエディターとの連携を強く意識して開発されており、単に見た目を整えるだけでなく、ブロックエディターの機能を拡張したり、テーマ独自のブロックを提供したりするものも増えています。
これにより、次のようなことが可能になります。
- デザインの一貫性:テーマが提供するデザインガイドラインに沿ってブロックが自動的にスタイルされるため、個々のブロックを配置するだけでサイト全体に統一感のあるデザインを適用できます。特別なCSSの知識がなくても、プロが作ったような洗練された見た目になるでしょう
- レイアウトの柔軟性:テーマによっては、フルワイド(画面幅いっぱいに広がる)ブロックや、特定のセクションに特化したレイアウトオプションを提供し、ブロックエディターだけでは難しいダイナミックなページ構成を可能にします
- テーマ独自のブロック:一部のテーマでは、そのテーマ専用のブロックを提供しています。例えば、特定のデザインの料金表ブロック、おすすめ記事ブロック、お客様の声ブロックなどです。これらは、そのテーマのデザインに最適化されているため、サイト全体の統一感を保ちつつ、より高度な情報を簡単に表現できます
テーマを選ぶ際は、ブロックエディターにしっかり対応しているか、「フルサイト編集(FSE)」機能に対応しているか(これによりヘッダーやフッターもブロックで編集できるようになります)などを確認すると良いでしょう。これにより、低コストでもデザインの自由度が高いサイト構築が可能になります。
カスタムブロックでさらに自由なサイト作りへ
標準ブロックやテーマが提供するブロックだけでは、表現したいデザインや機能が足りないと感じる場合もあるかもしれません。
そんな時に検討するのが「カスタムブロック」です。カスタムブロックとは、特定の目的のために独自に開発されたブロックのことで、あなたのサイトに特化した機能やデザインを実現できます。
カスタムブロックの導入方法はいくつかありますが、主な選択肢は次の2つです。
- プラグインを利用する
- 専門家に開発を依頼する
ブロックエディター向けの汎用的な高機能ブロック集プラグインには、たとえば Kadence Blocksなどがあります。
これらのプラグインは、標準ブロックにはないアニメーション付きの見出し、高度なボタン、料金表、お客様の声セクションなど、多種多様なブロックを提供しており、コーディングなしで利用できます。
まずは汎用的なブロック集プラグインを試してみるのがおすすめです。これにより、標準ブロックだけでは難しかったデザインや機能を、比較的簡単に実現できるようになります。
本当に独自性の高い機能や、ビジネスのワークフローに合わせた特別なブロックが必要な場合は、Web制作会社や開発者にカスタムブロックの開発を依頼するという選択肢もあります。コストがかかりますが、その分唯一無二のサイトを構築することができます。
まとめ|WordPressブロックエディターであなたのサイトを次のレベルへ
ここまで、WordPressブロックエディターを使ったサイト制作の応用テクニックを解説してきました。Webサイトは、単なる情報の羅列ではなく、訪問者とのコミュニケーションを生み出し、あなたのビジネスや活動を成長させるための強力なツールです。
今回ご紹介したブロックエディターの応用機能は、一見すると難しそうに感じるかもしれませんが、手順通りに進めれば、Web初心者の方でも十分に活用できます。
- Googleマップ、X(旧Twitter)、YouTube動画の埋め込みで、サイトの利便性と信頼性を向上させる
- 「ギャラリー」や「カバー」ブロックで視覚的に魅力的なコンテンツを作成し、訪問者の心を掴む
- 「再利用ブロック」で作業を効率化し、「グループ」や「カラム」で複雑なレイアウトも実現
- テーマとの連携やカスタムブロックの検討で、さらに独自性のあるサイト作りも可能
これらの機能を活用することで、あなたのサイトは、会社の顔となる紹介サイト、集客につながる実用的な情報サイト、信頼感を伝えるプロフィールサイト、活動を魅力的に伝える案内サイト、そしてブランドを育む温かい情報発信基地へと進化するでしょう。
最初から完璧を目指す必要はありません。まずは1つ、興味のある機能から試してみて、あなたのWordPressサイトを次のレベルへと引き上げてみませんか?

「自分でやってみたいけど、ここだけがうまくいかない…」
そんな時は、必要なところだけ頼れる「伴走型サポート」を活用してみませんか?
- サイト制作をできるだけ自力で進めたい
- 途中でつまずいた時だけ、スポットで相談したい
- 操作や設定、デザインのカスタマイズについて聞きたい